未来空想新聞2041年(令和23年)5月5日(日)

俵万智さんからのメッセージ 

 未来ある子どもたちへの一番の贈り物は「言葉」だと思う。お金やモノは、使えば減り、なくなってしまうけれど、言葉は使えば使うほど増えてゆく。人と人との関係を築くこと、自分自身を見つめ表現すること、気持ちを伝えること…。あらゆる場面で言葉は必要だし、言葉を使いこなせることは生きる力に直結する。子どもの言葉が少しでも豊かになるようサポートするのが、大人の役目ではないだろうか。言葉は日用品で実用品。未来を駆けるための相棒であってほしい。頼もしいジョギングシューズのように。

  • 俵万智
    TAWARA Machi

    1962年、大阪府生まれ。歌人。1987年、第1歌集『サラダ記念日』が285万部のベストセラー。短歌の魅力を伝え、すそ野を広げた創作活動で2021年度に朝日賞受賞。朝日新聞社の短歌生成AIに対し、自身の歌集全6冊2,368首のデータ利用を許可。「万智さんAI」が開発され、自身も体験した。