🄫士郎正宗／講談社
科学技術は諸刃（もろは）の剣、「人間らしさ」という言葉も美徳と愚行の功罪両面を含んでいる。未来でも過去と同様、生活が便利で豊かになる一方、新たな諸問題や副作用や悪用事例も発生し、課題が尽きる事はないだろう。「人間らしさがどうなるか」は道具や科学技術によって決まるのではなく、「どうなるか」よりも「どうなりたいか」を我々自身がどの様に考え、選択し、行動し、科学技術を用いるかによって積み重なっていくものかと思う。
士郎正宗
SHIROW Masamune
【マヒトゥ・ザ・ピーポー】想像と対話で複雑さに寄り添う社会 僕たちは完璧な世界ではなく、不完全な世界で暮らしている
【佐久間洋司×白上フブキ】「他者の感覚」を追体験、思いやりや相互理解広がる バーチャル空間で身体（からだ）を持ち、ファンと交流する「VTuber」の活躍は、今やすっかり日常となりました。エンターテインメントの最先端とも言えるVTuberや、AI技術は、未来をどのように形づくるのでしょうか。国内外のファンに愛されるVTuberの白上フブキさんと、バーチャルビーイングを研究し、２０２５年大阪・関西万博ではVTuberも含むバーチャルコンテンツのディレクションを担う佐久間洋司さんが、それぞれの立場から語り合いました。
【若宮正子】高齢者の自立支援にテクノロジーを活用 現在88歳の若宮正子さんは、60歳を過ぎてからパソコンを独学。70代で表計算ソフト「エクセル」のマス目に色をつけてデザインを楽しむ「エクセルアート」を考案し、81歳でゲームアプリ「hinadan」を開発しました。若宮さんにとって新しいテクノロジーは、「ある日ピヨッと出てくる面白いもの」。マニュアルは読まずに、とりあえず使ってみるのが楽しむコツです。「私が今着ているシャツも、『エクセル』で作ったもの。自由にあれこれ触っていたら、マス目に色をつけられることに気づいて夢中になりました」
【前田陽汰】死との出会い方をとらえなおす 死亡数が年々増加している日本。2040年には約168万人のピークを迎えるとされています。オンラインの追悼サービス「葬想式」や「自宅葬のここ」を運営する株式会社むじょうの前田陽汰さんは「葬儀は悲しみだけではなくて、これからの自分がどう生きるのかを考える場でもある」と語ります。
【平野啓一郎】世界課題、バーチャル連帯で乗り越える 平野啓一郎さんは昨年の未来空想新聞のコラム「天空人語」で「居場所作り」を執筆しました。そこではメタバース内に絶滅種を再現する環境をつくり、世界中の人々と交流する中学生が描かれています。
